情報化施工とは

  情報化施工とは、建設事業における「施工」において、情報通信技術(ICT)の活用により、各プロセスから得られる電子情報をやりとりして高効率・高精度な施工を実現するものです。

  施工で得られる電子情報を施工後の維持管理等に活用することによって、建設生産プロセス全体における生産性の向上や品質の確保を図ることを目的としたシステムのことです。
 

 


   情報通信技術(ICT : Information and Communication Technology)とは、
主に汎地球 測位航法衛星システム(GNSS : Global Navigation Satellite System)、
トータルステーシ ョン (TS: Total Station)といった高度な測位システムや、
通信機器、コンピュータのこと のことを指します。

情報化施工のイメージ

  現在、建設現場では汎地球測位航法衛星システム(GNSS)やトータルステーション(TS)などの高度な測位システムの導入が進み、測量や検査に使用されています。

  このような情報通信技術(ICT)と電子化された施工図などのデータを活用することによって、施工現場では測量などの計測作業の合理化、建設機械の自動制御やナビゲーションによる品質、精度の向上、丁張なしでの施工による施工効率の向上が期待できます。

  また、出来形管理においても施工中のデータを電子的に記録できることから、任意点での計測が容易となり、施工者の品質管理・帳票作成作業、発注者の監督・検査業務においても、効率化できることとなります。

図 従来施工と情報化施工(建設機械の自動制御)の比較

図 従来施工と情報化施工(TSによる出来形管理)の比較

3次元位置検出方式

 情報化施工の技術は、高い精度の位置情報を利用することで、今までにない高品質な施工を可能にします。

 この「位置を測る技術」は、現在
  ・GNSS(汎地球測位航法衛星システム)
  ・TS (トータルステーション)
の2種類が主に使われています。

汎地球測位航法衛星システム(GNSS)

  位置を知る技術として有名なものは一般によく知られる「GPS」です。GPSとは米軍が開発したもので,他にもロシアのGLONASS,ヨーロッパのGALILEOなどがあり、GNSSとはそれらを含む総称となります。
 2016年6月の時点でGPSは31機、GLONASSは24機が合計55機が稼働中です。

  GNSS衛星は地球の衛星軌道上を飛行しており、それらは地球上のどの場所からみても6基以上を補足できるように計算されています。それでも単独測位(1台のGPS受信機で測位)の状態では、10メートル〜20メートルの誤差が生じます。

  高精度な位置情報が必要な情報化施工では、GNSS衛星からのデータ以外に地上の基地局の補正データを付加することで、さらに誤差の少ない位置情報を得ることができます。これによって高品質な施工が可能となります。

   RTK-GNSS方式 (Real Time Kinematic GPS)

  RTK−GNSSとは、正確な位置情報を持った電子基準局と複数のGNSS衛星からの位置情報を取得しながらリアルタイムで移動局(下記の図ではブルドーザ)の位置を算出する方法です。測定にかかる時間は約10秒程度と非常に短く、初期測定も停止している必要がありません。精度も3〜4級基準点相当で誤差は2cm〜5センチ程度まで抑えられています。
  RTK-GNSS方式は位置情報を取得できる衛星が多ければ多いほど精度があがります。アメリカのGPS以外にロシアのGLONASSを利用できますので、高レベルの情報を受けることができます。ただし、谷間などの狭い場所では、多くの衛星をとらえることができないため、上空が広範囲で見渡せる平地のほうが有利です。

   VRS方式  (Virtual Reference Station)

 

  VRSは仮想基準点方式と呼ばれ、複数の電子基準点の観測データーから、 測量現場のごく近傍にあたかも基準点があるかのような状態を作り出す技術です。  RTK-GPS受信機一台で高精度な測量を行うことができます。

  電子基準点は、国土地理院より提供されていおり、現在全国に約20km間隔で1200 点が設置されています。測量法の改正により平成14年4月から日本の緯度、経度の基準が世界測地系となり、GPSによる緯度、経度と整合されました。電子基準点の位置はミリメートルレベルで提供されるので、この情報を利用することにより測量データの誤差を補正し、高精度な位置情報を取得できる仕組みです。

  

  TS方式   (Total Station)

光学測量機器を用いる方式。

 

操作方法

マシンガイダンス(MG)

 TS,GNSSの計測技術を用いて、施工機械の位置情報・施工情報、及び現場状況(施工状況)と設計値(三次元設計データ)との差異を車載モニタを通じてオペレータに提供し、操作をサポートする技術

【導入効果】

  施工の効率化(丁張レス等)、出来形・品質の確保

【対象機種】

  ブルドーザ、バックホウ

【対象工種】

  河川・道路土工(敷均し・締固め、掘削、法面整形)

 

マシンコントロール(MC)

 マシンガイダンス技術に施工機械の油圧制御技術を組み合わせて、設計値(3次元設計データ)に従って機械をリアルタイムに自動制御し施工を行う技術

【導入効果】

  施工の効率化(丁張レス等)、出来形・品質の確保

【対象機種】

  ブルドーザ、モータグレーダ、アスファルトフィニッシャ

【対象工種】

  道路土工(掘削)、舗装工(路盤工、アスファルト舗装)

 

 

 国土交通省は、建設施工のイノベーションを実現する新しい施工方法である情報化施工の戦略的な普及方策として、2008年2月25日に産学官それぞれの分野の有識者による「情報化施工推進会議」(事務局:国土交通省総合政策局建設施工企画課)を設置し、検討を進め同年7月31日に、「情報化施工推進戦略」を取りまとめました。

  当社は建設機械のレンタル業務として、
情報化施工機器を搭載した建設機械の導入、
尚且つ技術的バックアップとしてもお役に立てるよう
サービス拡充を目指してまいります。

 

 

  情報化施工は、施工効率や精度、安全性が大幅に向上し、環境負荷の低減にも貢献します。以下に、考えられる主なメリットを5つご紹介します。

作業の効率化

  ・現場作業の効率化により、工期短縮・省人化ができる。

  ・オペレータの熟練度に大きく依存しない施工速度や出来形・品質が確保でき、施工ミスも低減できる。

安全性の向上

  ・検測の省力化が可能となることで、施工機械との接触事故を極力少なくすることができ安全性が向上する。

監督・検査の効率化

  ・施工データを連続的に把握することにより、工事発注者の監督・検査等の業務を効率化でき、施工管理の実施を確実に確認できる。

維持管理の効率化

  ・施工データの記録を活用し、構造物の診断・解析ができるようになり、一層高度な維持管理を実現することができる。

技術者判断を支援

  ・調査・設計、施工、維持管理で得られた多くのデータに基づいて、迅速かつ柔軟な技術者判断を行うことができる。

公共構造物の品質向上

  ・土木構造物の施工品質の追跡調査が可能となり、安心できる土木構造物を使用できる。

生活環境の向上

  ・作業効率の向上により、工事期間が短縮され社会損失(渋滞・騒音・振動等)の低減が期待できる。

環境問題への期待

  ・作業効率が向上することで、建設機械の稼働時間が短縮され、燃料消費量(CO2)が低減できる。

 

技術競争力の強化

  ・情報化施工を取り入れた工事については、工事成績において加点される。
    ※ただし、「請負工事成績評定要領の運用の一部改正について」における条件を満たす工事とする。

イメージアップ

  ・工事現場の作業環境が改善され、魅力のある産業へイメージアップにつながる。